ゼロの使い魔 全22巻を読み終えて
ゼロの使い魔 22巻、最終巻を読み終えました。
長かったサイトとルイズの冒険と成長の物語も終わりを迎えました。
最終巻は本当に良かった。
読む手が止まらず、「次へ」「次へ」と読みたい衝動を抑えられず、おかげで寝不足です。
ルイズがサイトを使い魔として召喚した1巻から22冊です。
振り返れば長かったなと思います。
物語の時間経過で言うと1年半なんですね。
非常に濃密な時間を過ごしていたので、もっと長い時間が経っているように感じます。
色々なキャラクターが登場し、それぞれのキャラクターが魅力的でした。
特に主要な女性キャラクターは一度はサイトに惚れるという、ラノベの王道を行く展開でした。
ここはヤマグチノボル先生の妄想力に楽しませてもらいました。
最高に盛り上がった最終巻、サイトの熱いバトルと感動の展開に涙
最終巻は本当に素晴らしい出来でした。
ヤマグチノボル先生が亡くなってしまってから発行された21巻と22巻は、ヤマグチ先生のプロットを元に別の作家さんが書かれたそうです。
私は20巻までと21巻、22巻を時間をおかずに読むことができたのですが、まったく違和感を感じることなく最終巻まで読み進めることができました。
特に22巻は、代筆の方はゼロの使い魔を本当に読み込まれて書かれたんだろうなとか、ヤマグチ先生のプロットは綿密に詳細に書かれていたんだろうなと想像しながら読み進めていました。
これまでの21冊は、最終巻のクライマックスと感動のために準備されたものと言ってもいいぐらいの素晴らしい1冊でした。
六千年前の謎や、故郷の地球を守るのか、それともかけがえのない仲間のいるハルケギニアを守るのか、両親のいる日本に帰るのか、ルイズと生活するためにハルケギニアに残ることを選ぶのかといった究極の選択をサイトが、ルイズがどのように行うのかが最終巻に残されていました。
六千年前に起こった出来事、これはまさに悲劇でした。
始祖ブリミルが行わざるを得なかったこと、そしてブリミルと愛し合ったエルフのサーシャがブリミルに剣を向けなければならなかったこと、まさに悲劇でここから六千年にもおよぶ人間とエルフの憎悪と対立の歴史が始まるものでした。
エルフとの対立は、本当の聖地を回復させるというロマリア教皇ヴィットーリオの真剣な想いから和解へと向かいます。
共通の敵と戦うという名目での和解でしたが、歴史的なものと言ってもいいでしょう。
ヴィットーリオは竜の巣から見つかった原子力潜水艦とそれに搭載されている核弾頭を取り出そうとします。
これに気が付いたサイトは、阻止しようとロマリア艦に乗り込みますが、捕縛されエルフの監獄島にタバサとともに拘束されてしまいます。
監獄島で六千年前の夢を見たサイトは、始祖ブリミルがかつてあったエルフの都を滅ぼさなければならなかった理由を知り、ハルケギニアを救う方法を思いつきます。
これを何としてもルイズに伝えなければと思っていたところに、サイトを救うためにオストラント号で仲間たちが監獄島に乗り込んできます。
仲間の助けにより監獄島から脱出したサイトは、コルベール先生が修理していたゼロ戦に乗り込み聖地にいるルイズの元へと向かいます。
リーヴスラシルの力により生命力を削られつつも、聖地回復連合軍の艦隊の攻撃をかわして懸命にルイズの元へ向かうサイト。
カラダを動かせないほどに衰弱したサイトに生命力を送り続けるデルフリンガー。
世界を救うために己の生命力の限りを尽くして戦うサイトとデルフリンガー。
自分の力では立ち上がることもできない、デルフリンガーの力で何とかルイズの元にたどり着くことができたサイトが、ルイズに世界を救う方法を伝えようとしますが、ルイズは聞きません。
同じ夢を見ていたルイズは、その方法はすでに知っていたのです。
しかしそれではサイトの命を救うことはできないと、ルイズは別の方法を取ります。
虚無の担い手がガンダールヴに殺されると虚無が消滅するという方法で。
まさかの展開でした。
デルフリンガーに胸を貫かれて命を落としたルイズ。
その時、自身に施されていたブリミルの虚無の魔法を使うデルフリンガー。
砕け散るデルフリンガーと、命を吹き返したルイズ。
お互いがお互いを思いやる展開に思わず涙してしまいました。
こういう方法で虚無を終わらせる方法があるのかと。
虚無の魔法が効果を失い崩れ落ちる聖地で、宙に浮かぶ精霊力の源を目にしたサイトは、放たずに残った虚無魔法をそれにぶつけるようルイズに伝えます。
聖地は、虚無の魔法で破壊されてハルケギニアに安定が戻ります。
聖地回復連合軍のごたごたで混乱は残りましたが、住む場所がなくなるという脅威はなくなりました。
平和を取り戻したルイズは聖女となります。
サイトはルイズに結婚を申し込み、仲間に祝福されつつトリステイン魔法学院で結婚式を挙げます。
そこに届いたロマリア教皇ヴィットーリオからサイトへの贈り物。
なんと始祖の円鏡でした。
聖地のゲートが閉じてしまい、虚無の魔法もなくなり地球に帰ることを完全に諦めたサイトですが、日本に帰れることが分かり思い悩みます。
ルイズはサイトに日本に帰るように話をします。
サイトは日本に帰ることにします。
そして、始祖の円鏡で開いたゲートに片足を踏み入れた時、ルイズが声をかけます。
「私も行く」と。
一人分しか通れないはずのゲートでしたが、そのとき「ゲートを開いてやるよ」という声が聞こえます。
サイトはルイズ、柄だけになったデルフリンガーとともに日本に帰るところで物語は終わります。
よかった。本当によかった。
ゼロの使い魔らしい、ほっこりとした終わり方でした。
ルイズは日本で生活できるのだろうか?
二人の恋の行方も本当に大丈夫なのか心配になります。
コルベール先生が地球とハルケギニアの間にゲートを開きそうな展開も想像できます。
ヤマグチノボル先生は亡くなる前に、ゼロの使い魔の物語が終わった後の話も書きたいと話されていたそうで、後日談が読めなくなってしまったのは本当に残念でなりません。
ゼロの使い魔は、ラノベ好きであればぜひとも読んで欲しいシリーズです。
そして必ず最終巻まで読んで!と強く伝えたい。
感動の、ゼロの使い魔らしい最高のフィナーレでした。