作者の理不尽な孫の手先生は天才だと思う「無職転生-異世界行ったら本気だす-」

ファンタジー
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ラノベファン、ファンタジーファンは必読の書

「無職転生-異世界行ったら本気だす-」を読み終えました。

1巻と2巻は以前電子書籍で購入していたのでこれを読んだのですが、続きは小説家になろうのサイトで読みました。

小説家になろうのサイトでは、物語は完結しており最後まで読み終えることができました。

読んでいる間は何も手に付かず、一心不乱にスマホ画面を見つめていました。(スマホで読んでいたので)

それこそ寝る間も惜しんで読みふけっていたので、2週間ほどで全編読み切ってしまいました。

おかげでブログの更新も止まってしまいました。

それほどに「無職転生-異世界行ったら本気だす-」は面白く、ついついのめり込んでしまう要素満載です。

これほどのめり込んでしまったのは、灰と幻想のグリムガル以来でしょうか。

つべこべ言わずにとにかく読め!と言いたいところですが、本作無職転生はどこが面白かったのかを自分なりにまとめてみたいと思います。

キャラクターが個性的で魅力がある

登場人物が個性的で、それぞれの能力だけでなく生い立ちや性格など、綿密に描かれています。

ルーデウス・グレイラットの成長物語

特に個性的で感情移入してしまうのが、何といっても主人公のルーデウス・グレイラットでしょう。

「34歳職歴無し住所不定無職童貞のニートは、ある日家を追い出され、人生を後悔している間にトラックに轢かれて死んでしまう。目覚めた時、彼は赤ん坊になっていた。どうやら異世界に転生したらしい。」というところから物語はスタートします。

ニートであった前世でもこれまでの人生を後悔しており、何とかやり直したいと思いつつも、もう取り返せないと思い込んでしまったところで事故に遭い死んでしまいます。

目覚めると言葉もよくわからない、体も思うように動かせない赤ん坊として生まれ変わったことに気が付きます。

異世界転生ものは小説家になろうでも人気のジャンルですが、多いのは気がついたら異世界にいたというもので、記憶だけでなく肉体も年齢も転生時点のものです。

「ゼロの使い魔」は突然目の前に光の輪が現れてこれをくぐると異世界だったというものですし、「灰と幻想のグリムガル」は目覚めると異世界にいて目覚める前の記憶が一切ないというもので、「この素晴らしい世界に祝福を」では無職転生と同様に事故によって主人公が死んでしまい異世界に転生するというところは同じですが、このすばの方は死んだ時の年恰好のままですが、無職転生は赤ん坊からやり直すというところが異なります。

この「赤ん坊からやり直す」という設定が無職転生の面白さの一因になっていると言えるでしょう。

人生をやり直したいと後悔している無職ニートが本当に望みが叶って、赤ん坊からやり直せるとしたらどうするかというところが面白いところです。

しかも、赤ん坊として生まれてきた時点で、34歳で死んだときの記憶を持っており、しかも転生したのが思いっきりニートの知識を生かせる異世界だったという設定が絶妙です。

異世界転生ものによくある「なぜか話し言葉だけは通じる」という設定もなく、異世界の言葉を覚えるところから始まります。

主人公は、魔力量が異常に多いというチート能力を身に付ける訳ですが、これは「転生者だから」という訳ではなく主人公が努力した結果によるものです。

赤ん坊の時点で34歳の自意識を持っているというところが強いところですよね。

転生した異世界でどうも魔術があるということに気が付き、自宅に合った魔術書を読みふけり実践します。

未知の魔術に対して試行錯誤しながらこれを身に付けていく様に読者は引き込まれます。

特に魔力総量に関する記述が面白く、魔術書には「人それぞれ魔力総量は決まっている」と書かれていますが、主人公が魔術を使っていくと、どんどん魔力総量は増えていきます。

幼児期に最初魔術を放った時には水弾を2発放つと気絶してしまいますが、次の日に試してみると前日の倍放てるようになっています。

さらに次の日はそのさらに倍の量を放てるようになり・・・という過程を経て、主人公は子供時代ですでに異常な魔力量を持つことになります。

この成長過程は少年マンガ等でもありがちではありますが、王道といいますか、やはり能力を成長させる過程というものは面白いものです。

無職転生でもこの点は間違いなく、初っ端から物語にのめり込ませる面白さがあります。

主人公以外に登場人物が成長していく過程が描かれるのが、メインキャラクターのシルフィとエリスです。

シルフィエットの成長物語

シルフィは異世界に転生したルーデウスが初めて友人になった人物で、初めて魔術を教えた相手でもあります。

そして類いまれな魔術の才能を持っており、無詠唱魔術を身に付け、成長してからは魔力総量も多く有力な魔術師になります。

小さい頃から魔術を始めたこともあり、他の魔術師と比べても魔力総量は多いのですが、それでもルーデウスの化け物みたいな魔力総量と比べると見劣りしてしまいます。

無詠唱を使える魔術も強力なのですが、主人公とダブっている部分についてはどうしても一歩足りないところになっています。

ただ、治療魔術の無詠唱については、ルーデウスがどうしても身に付けられなかったものをあっさりと身に付けてしまっています。

シルフィの成長物語としては、魔術、とりわけ無詠唱魔術の基礎をルーデウスから教わったところで、ルーデウスが家庭教師に出されたところで途切れてしまいます。

ルーデウスと別れてからもシルフィは攻撃魔術と治療魔術を学び続けていく訳ですが、その過程は二人が再会するまで触れられません。

エリス・ボレアス・グレイラットの成長物語

エリスは当初手が付けられないお転婆で(お転婆という言い方が可愛らしいぐらい)、人としてまともにふるまえるようになっていく、それとともに剣術を学び、少しだけ読み書きと算術、魔術と貴族の振る舞い方を学んでいきます。

わがままばかりのエリスにいかに勉強を教えるか、淑女としての振る舞い方を教えるかについては、主人公のルーデウスが特に試行錯誤しながら努力します。

自分以外の他人をいかに教育して成長させるかという少し違った側面からですが、これもキャラクターの成長物語であり、やはり読者はぐいぐいと引き込まれてしまう力を持っています。

パウロ・グレイラットの成長物語

ルーデウスの父親、パウロの成長物語にも心惹かれます。

パウロは剣士ですが、その成長物語は剣士のものではなく、父親としてのものです。

前世で主人公が34歳で死に異世界に転生したとき、パウロは主人公よりも年下で初めての子供を持ち、ルーデウスの人生とともに父親としての一歩を踏み出しました。

父親として未熟な点も多く、妻のゼニスが妊娠中にメイドのリーリャに手を出して妊娠させてしまうほどです。

主人公も精神年齢が34歳で転生したため、何かとパウロを見下しており、父親のパウロから見ると生意気な子供だったでしょう。

それでも誰よりもルーデウスのことを誇りに思っており、誰よりも愛情を持って接しており、誰よりもその成長を期待していた人物です。

私も息子を持つ父親だからなのか、このパウロの父親としての心情を思うと涙が出てきます。

父親としてどう振舞えばいいのかという戸惑いから始まり、妙に大人びた非常に賢い息子にどう接すればよいのか悩んだり、2人の妻から冷たくあしらわれたりと決していいところばかりではありません。

むしろダメ親父というか、大人びた息子のルーデウスと比べると、どうしてもダメなところが目立ってしまいます。

ルーデウスは7歳で家庭教師として親元を離れますので一緒に過ごした時間は短いのですが、ルーデウスは完璧ではないけれども人間味あふれるパウロを父親として慕うようになります。

そして物語も中盤以降になりますが、パウロが亡くなり落ち込むルーデウスを描いたシーンでは、ルーデウスと共に泣きました。

夜中に一人で読んでいた時でしたが涙が止まらず、これほど泣いたのはいつぶりでしょうか。

登場人物にのめり込んでしまう

特に父親のパウロが亡くなったときの主人公ルーデウスに同情してしまうのですが、本作・無職転生は一人称で描かれています。

主に主人公のルーデウス視点で物語は進みますが、「— パウロ視点 —」という形で主要キャラクターからの視点でのストーリーも差し挟まれて他キャラクターの心情も理解できるような構成になっています。

主要キャラクター視点での描写があると、そのキャラクターの心情が理解でき、より親近感が増します。

魔術や剣術に対する知識や世界観も、その時の主人公が得られる知識しか読者に与えられず、そのことがより臨場感を持ってストーリーを読ませます。

一人称でストーリーを描いて読者をひきつけるというのは、灰と幻想のグリムガルとも共通しているところですね。

キャラクターの設定もしっかりとしていて、各キャラクターの性格まできちんと描かれているので、物語がより面白くなります。

ストーリーが完結した後に、「無職転生 – 蛇足編 –」として、登場人物のその後の物語が描かれていますが、これを楽しく読めるのもキャラ立ちがしっかりとしているが故のことです。

各キャラクターがストーリーの完結後どうなったのかを描いたのが蛇足編になる訳ですが、それだけで26話分にもなるというのはキャラ立ちがしっかりしているからこそのことですね。

ジョブレス・オブリージュもルーデウスの息子であるジークハルト・サラディン・グレイラットの物語ですし、古龍の昔話はラプラスの昔話です。

これは世界観の構築や登場人物の人間関係も含めた、理不尽な孫の手先生の構成の上手さが光っています。

もう一つ、この物語の魅力になっているのが、主人公だけの力だけでなく仲間の力を得ながら成長していくところですね。

仲間の力を得ながらというところもいかにも少年マンガの王道的な展開ですが、まさに王道そのもののストーリー展開です。

世界観の構築と、登場人物のキャラクター設定とそれが絡み合ったストーリー展開と、とても素人が書いたものとは思えない小説です。

理不尽な孫の手先生は、CD版の原作を書かれたりとすでにプロとして活動されていると言ってもよいと思いますが、商業出版でなく、WEBサイトに投稿された小説でこのレベルのものを書き上げることができるというのは正直驚きを禁じえません。

今後も、是非とも続編や別作品を読みたい作家先生です。

私も自分の子供が大きくなったら「これを読め」と自分のお気に入り小説を読ませたいと思っていますが、この作品もそういうものの一つになりそうです。

ただ、中学生では読ませられないですね。エロ過ぎて。

高校生だと大丈夫でしょうか。いちおうR15作品ですので。

いずれにしても、まだ未読の方はぜひ一度読んでみてください。

小説家になろうサイトでは第1話から完結話まで公開された状態になっていますので、試しに第1章だけでも読んでみてください。

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