刀鍛冶の過去が明らかに。主人公の熱さに今後の展開を期待。聖剣の刀鍛冶第2巻
第2巻でも、主人公のセシリー・キャンベルの熱さが発揮されています。
この巻の前半は、帝国の皇女であるシャーロット一味からの襲撃の一部始終を扱い、
後半部分は、刀鍛冶ルークの過去とリサの誕生について書かれています。
前半部分のシャーロット一味による襲撃では、魔剣を扱うセシリーと
同じく魔剣を扱う襲撃者の魔剣同士の戦いが初めて描かれます。
1対3という絶対的な数的不利もありましたが、
戦闘後セシリーはより強く自分の無力さを自覚し、
強くなる決心をします。
襲撃後に捕らえられたシャーロットが「自称」皇女ということで、
通常の罪人とは異なる扱いを受けていることを見たセシリーは
そのことと、友人とする魔剣アリアを狙われたことで
シャーロットに対して怒りを露にします。
「大陸間の均衡のため」という騎士団団長の言葉にも納得できません。
シャーロットの身柄を自宅で預かるようになった
セシリーは、シャーロットの皇女としての出生の秘密を知り同情します。
シャーロットの身元問い合わせに対する帝国の回答に怒り
シャーロットに同情するセシリー。
最初はシャーロットに対して怒りを持っていたセシリーですが、
数日後にはシャーロットの身の上を心配し、同情するようにもなります。
変わり身が早いというか、激情型というか、
作者の三浦勇雄さんがあとがきでも「熱い物語」と書かれていますが、
それを象徴するのが主人公のセシリーでしょう。
ちょっと激情型すぎてまだ感情移入できずにいますが・・・。
後半では、ルークの過去に何があったのか、
リサとはどうやって出会ったのかについて
ルークからセシリーに語られます。
ヴァルバニルの秘密、祈禱契約と悪魔契約の秘密についても明かされます。
ルークは刀鍛冶として研鑽を続けていますが、
いまだ「聖剣」は出てきません。
また、セシリーも「刀が欲しい」と言っていますが
自分の刀を持つことは叶いません。
また、第1巻の盗賊団の件と魔剣襲撃の件、第2巻の皇女一味の襲撃の件の
黒幕の名前が出てきます。
これまでは「商人」として存在が書かれた存在でしたが、
帝国の戦士団長のシーグフリードがその黒幕ではあるようです。
「商人」と戦士団長が同一人物なのか、
シーグフリードはあからさまに怪しい人物として描かれています。
この後の展開として、セシリー&ルークとシーグフリードが
敵として戦っていくことを予感させる内容になっていますが、
セシリーは刀を持つことができるのか、
どのような敵が出てくるのかと今後の展開を期待させる内容となっています。