最近、ラノベやSFはソニーのReader Storeで購入して
スマホで読むことが多いのですが、
この作品もスマホに落として読みました。
この作品を読み始めて最初に「あれ?」と思ったのは、
HTMLかXMLっぽいタグで挿まれて書かれていたことです。
最初に見たときには、「ソニーさん、バグっているよ?」と思ったのですが、
架空のマークアップ言語で書かれている設定だということが後から分かりました。
ええ、最初は驚きましたよ。こういうの見たことなかったし、スマホで読んでましたからね。
物語は、主人公が高校生の時代から始まります。
WatchMeという体内監視システムにより
様々な病気から人類を守る社会が築かれ、「生府」により人々は監視・統治されています。
物語の舞台から半世紀ほど前に、北米を中心とした英語圏に「大災禍(ザ・メイルストロム)」が起こっています。
これは大暴動と騒乱によりアメリカの核兵器が流出し、世界中で核兵器が使用されます。
放射能の影響で突然変異したウィルスが世界中で猛威を振るい人々を苦しめます。
そのため先進国ではナノマシンを体に入れ、WatchMeという体内監視システムで病気を防止する世界を作り上げます。
女子高生だった主人公と親友の2人は、そんな世界に息苦しさを感じ反社会的な思想を持つようになります。
物語はWatchMeを象徴とする監視システムとそれへの反社会的な思想をベースに進んでいきます。
少女時代に大きな事件があり、主人公は成人してWHO螺旋監察官になります。
「螺旋監察官」という響き、いいですね!SF好きにはグッときますね。
日本に帰ってきて友人と再会した際に起こった事件が大きな謎となり、主人公はこれを解くべく奔走します。
監視社会の閉塞感と、これに抗おうとする人々との対立が筆者の筆力を以ってリアルに描かれています。
本作「ハーモニー」は、伊藤計劃さんの著書「虐殺器官」の後の世界観を思わせます。
虐殺器官を読んで伊藤計劃さんの世界観にハマった方はぜひハーモニーも読みましょう。
虐殺器官かハーモニーかどちらを読もうかという方は、虐殺器官から読みましょう。
(で、その後にハーモニーも読みましょう)
SF好きであれば読むべき作品です。