ゼロの使い魔 21巻「六千年の真実」を読み終わりました。
21巻を読み終わったので、ゼロの使い魔もいよいよ残すところ22巻の1冊のみとなりました。
サイトとルイズの物語もいよいよ残り1冊と考えると、寂しい気分になります。
ふとした好奇心からルイズ達のいるハルケギニアに召喚されたサイトが、高飛車な少女のルイズの使い魔となり、仲間達と心を通わせて行きながら成長していく物語ですが、ここまで来るのにルイズもサイトも、仲間たちも本当に成長したなと感慨深く思い返してしまいます。
本巻が発行される前に作者のヤマグチノボル先生が亡くなられました。
この21巻と22巻は、ヤマグチノボル先生のプロットを元に別の方が代筆されたものです。
21巻は、これまでの物語から違和感なく読み進められました。
あとがきでヤマグチノボル先生の代筆で書かれたということに触れられていなければ、他の方が書いたことにさえ気が付かないぐらいの完成度でした。
エルフの首都に乗り込んだルイズ達の戦いぶりは、それぞれの成長ぶりを感じさせるものでした。
しかし敵のエルフも非常に強力な魔力を持っており、壮絶な戦闘となります。
エルフの統領テュリュークの戦い方は、わざわざ石で巨大な腕を作り出し建物ごとルイズ達をつぶそうとするなど、思わせぶりなものでした。
ルイズ達はテュリュークの身柄を確保してオストラント号に戻る訳ですが、それはテュリュークとビダーシャルの策略でした。
エルフの首都に乗り込むというどう考えても無謀なルイズ達の試みは、和平交渉を望んでいたテュリューク達にとってはまたとない好機だった訳です。
ヤマグチノボル先生は、エルフの統領であるテュリュークとビダーシャルをロマリア教皇のヴィットーリオに引き合わせて、一緒に「聖地」に赴くようにするために、ルイズ達をエルフの首都に攻め込ませたんですね。
読み終わった後に振り返ればああそういうことかと気が付きますが、これを構成したヤマグチノボル先生、さすがです。
21巻ではエルフの塔に乗り込んだルイズ達とエルフとの戦闘、そして人間とエルフが共存する街エウメナスを守るためにエルフの過激派「鉄血団結党」との戦闘と、かなり濃く熱い戦いが繰り広げられます。
そして、本巻のクライマックスは、何と言っても離れ離れになってしまったサイトとルイズが再び出会うところでしょう。
サイトがピンチの時に颯爽と現れるルイズ。
この登場の仕方は、サイトがアンリエッタとキスをする場面を目撃してしまい一人姿を消した後、元素の兄弟との戦闘でピンチにおちいっていたサイトの前に現れたルイズを思い出させます。
あの時は、本当に成長したルイズが現れて圧倒的な力で強敵を倒したのでした。
今回も、非常に強力なエルフに倒されそうになっているサイトの前に颯爽と現れて、圧倒的な虚無の魔法で相手をねじ伏せます。
相手の力を上回りながら、さらに訪れるピンチ。
それを救ったのは新たな虚無の力に目覚めたティファニアでした。
エウメナスの危機を救ったルイズ達は、ロマリア教皇ヴィットーリオやエルフのテュリューク達と共に聖地に向かいます。
聖地に到着したヴィットーリオが虚無魔法「世界扉(ワールド・ドア)」を唱えると、そこに現れたのは何とサイトの故郷地球の姿。
「これこそ、始祖の悲願、"マギ族"が帰還すべき"約束の地"です」というヴィットーリオの言葉で21巻は終了します。
マギ族って何?
帰還すべき"約束の地"って?
それが地球ってどういうこと?
そしてサイトの行く末はどうなるの?
非常に気になる結末は最終巻の22巻で明らかになるのでしょう。
とても楽しみですが、これでゼロの使い魔が終わってしまうと思うと、寂しい気持ちになります。